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2009年5月11日 (月)

カラ期間の有無・・・結婚と離婚を複数回繰り返した人のカラ期間のチェックと験算はしんどい。

国民年金や厚生年金の加入期間が短い人が利用する方法で、合算対象期間(カラ期間)というのがあります。

代表的な例、よくある事例では、配偶者が厚生年金加入をしていた昭和36年4月~昭和61年3月までの間の、婚姻していた期間。
・・・これ以外にも、海外にいた期間(参考記事)や、外国籍の人で日本に昭和36年5月~昭和57年1月以前(この当時、すでに20歳以上になっている)から住んでいる人(証明書類:パスポートや外国人登録証)とかも、カラ期間が使えます。

(例)A子、昭和20年生まれで、昭和45年4月、B夫(当時、厚生年金加入)と結婚。妻、A子は被扶養者になる。
・・・ちなみに、健康保険の被扶養者の所得の制限(年間所得130万円未満)ができるのは、平成5年以降。

また、国民年金は、A子の場合、昭和61年4月まで、任意加入という時代←本当、この質問、非常に多い。
(主な質問の仕方)「国民年金の加入期間、何で昭和61年4月からなの?健康保険で扶養家族になってたのに・・・」
(答え)昭和36年4月~昭和61年の国民年金法改正までは、任意加入という時代だったから。・・・つまり、この期間=保険料を払っていない期間=給付も0円という期間。

一般的な事例なら・・・(例)からいえば、夫が厚生年金にずっと加入していた=結婚後、昭和61年3月まで、もし妻が国民年金に任意加入してなかったら、16年間を「カラ期間」と認められる。

(この内容を確認するのに必要な書類)
・戸籍謄本。
・・・婚姻していた期間を確認するため。
・夫の年金手帳や年金証書。
・・・夫が妻と結婚した後、昭和61年3月まで、どれだけ厚生年金に加入していたか見るため。

よく文句を言われたり、意気込んでやってきて、やっぱり年金受給できなかったという苦情になるのは・・・本人の記憶、思い込みだけで、結婚した時期を聞いて、年金相談の窓口で「受給可能」「不可能」と言ってしまって、よくよく戸籍謄本などの証明書類を見てみたら・・・ダメでした、というパターン。
(・・・なんで、こんなことになるのか?)
所詮は、本人の記憶なので、何年か年数が違っているということはあったりする。だから、証明書類を見ないと、適当なことは言えない・・・。

(例)でいえば、16年のカラ期間+9年の国民年金記録で受給できる・・・と思いきや、戸籍謄本で婚姻期間を見てみると、実際は昭和47年だった・・・とかいう場合。同棲していた期間を婚姻期間に加えて計算したりしてて・・・そういう記憶違いなんていうのは、よくあることである。

こういう「カラ期間」は、当然ですが、一般人でも確認することはできる。夫の「ねんきん特別便」の厚生年金の記録と、戸籍謄本を見てみることである。
(例えば、ねんきん特別便が、こんな感じなら・・・)
番号 加入制度 事業所名称等 取得年月日    喪失年月日    月数
1   厚生年金 株式会社** 昭和40年4月1日 昭和61年4月1日 252
2   厚生年金 株式会社## 昭和61年4月1日 平成17年4月1日 228

((例)からいえば・・・妻のカラ期間(この期間に任意加入や厚生年金加入があれば、その期間を除く)=昭和45年4月~昭和61年3月末まで=192月+国民年金3号被保険者期間228月←3号被保険者は「国民年金」とねんきん特別便などで表示される。決して3号被保険者は「厚生年金」の期間とはならない・・・これも、一般の人にちょくちょく質問をうけることがある)
この場合、年金計算される記録は・・・228月の国民年金加入。

・・・だから、60歳(厚生年金加入が1年以上の人)、65歳時の年金請求には、戸籍謄本が必ず必要となる。
逆に言うと・・・カラ期間を利用する人とは、自分の記録のみで受給できるかどうかが判断されないという、年金受給権が不安定な条件の人になる。

上記事例のように夫が厚生年金加入(サラリーマン)をしていたからいいのだが・・・途中から夫が自営業=国民年金加入になったりすると、このカラ期間の利用できる期間が縮小されます。
もっといえば、自営業の人と結婚した妻は・・・カラ期間など全く利用できません。だから・・・サラリーマンや公務員の夫と離婚して、自営業の人と再婚した時に、どれだけカラ期間が利用できるのか?というと・・・神のみぞ知る・・・という状況になります。←だから、その女性の結婚遍歴によっては、年金受給の天国と地獄が背中合わせな状況だったりするのです。

また、女性の場合、脱退手当金の記録もカラ期間として加算される。ただし、昭和36年4月以降の記録(←国民年金制度発足以降)にのみ、カラ期間として認められる。←これも、よく「長い期間、厚生年金に入って、脱退手当金をもらった記憶があるけど・・・」と質問される。
例えば、昭和32年~昭和38年にかけて厚生年金に加入して脱退手当金を受給したけど、ねんきん特別便に「脱退手当金支給期間」と出てくるのが昭和36年4月~昭和38年までというパターン。一般の方、国民年金の制度を熟知しましょう。

・・・では、そこそこ年金相談の窓口で見かけた具体的な相談事例を書いてみようと思う。
(事例1)
昭和15年生まれの女性。昭和45年、夫と婚姻。平成2年、夫死亡。そのため遺族厚生年金を請求。また、平成2年以降、平成5年頃まで国民年金(1号被保険者=自分で年金支払いする者)を加入して年金支払するが、その後、未納状態になる。
・・・当初、青い老齢年金請求書を持ってきていたので「すでに相談済みで、年金受給できるのだろう」と思って、戸籍謄本や前夫の厚生年金加入記録など、見返してみる。・・・しかし・・・
(計算)昭和45年~平成2年=20年(カラ期間+昭和61年4月以降、死亡時まで、妻は3号被保険者)
(本人の1号被保険者で国民年金納付の期間)平成2年~平成5年=3年

・・・惜しい。ずーと私は、夫の転職がないかとか、厚生年金被保険者照会記録の、戸籍謄本の妻と婚姻の時期から昭和61年3月末までの期間を、何度も験算し、チェックしてみて・・・やっぱり300月に至らない。この年代では短縮特例もない。

「どうして、こういう年金請求の用紙を持って来られたのですか?」「どこの窓口で、どう説明を受けました?」と、よくよく話を聞いてみると、「知り合いの社労士が受けられるかもしれないから行ってみなさい」と言ったという・・・ああ、また希望的観測に基づく適当なコメントをしている社労士か・・・。
ちょっと、社労士さんよ(って私もだけど(^^;)、希望的的観測でのコメントするなら・・・たとえば、「ねんきん特別便」の遺族厚生年金の記録、本人の年金加入記録、さらに、確実な証明書類の戸籍謄本を見てみて、カラ期間の計算、験算を何回かしてみてから、コメントしてみてよ・・・と思ってしまったわけで・・・。

この方の場合、昭和35年から数年間(・・・また戸籍の除籍簿なんかも必要)、公務員の方と結婚していて・・・というので、その期間をカラ期間でカウントできないかと言われる。
・・・これも、昭和36年4月以降、どれだけの期間、婚姻していたか分からないから、適当なことも言えない。←ここが、行政協力をしている場合、非常に注意するところになる。
客やそのお友達に喜んでもらう、顧客を集めたいために、希望的観測を言う「先生」という権威にあぐらをかいてコメントする社労士とは全く異なります。
・・・こんな場合・・・戸籍の除籍簿、前々夫の共済加入期間確認通知書(←前々夫が公務員なだけに)。しかも、前々夫は死亡している。取り寄せるのに、時間と手間がかかるような事例。
この時点になって、何を言っても仕方ないのですが・・・もっと早い段階で、自分の国民年金の情報を知っていたら、国民年金をもっとかけておくとか、免除を受けるとかいう方法もあったんですけどね・・・。
たいてい、こういう人が自分の年金受給できるだろう頃にやってきて、話を聞いて、「ええっ!老齢の年金もらえない」と初めて気付く場合も、そこそこあるので、年金制度に関心あるなら、年に何度か社会保険事務所に分らないことは質問しにいくのがいいでしょう。

(事例2)
2回以上、婚姻をしている場合の人のカラ期間。
一応、私は行政書士もやってて、こういう戸籍謄本や戸籍の除籍簿のことなんか、相続関係、権利義務関係に絡んだ書類を出す時に集めたりするので、ある程度、知識を持っています(他人に自慢できるほどの熟知した知識でもないですが・・・)。
最近は、遺族年金の請求のとき、また、こういうカラ期間の計算をするときに、取り寄せて見せてもらうわけですが・・・。
遺族年金の請求の時は、遺産分割も関係してて、めちゃくちゃたくさんの戸籍謄本を持ってくる人がいます・・・普通の人は、どのものが必要なのかよく分らないから。

(戸籍謄本の基礎的知識)
戸籍法の改正によって・・・明治5年、明治19年、明治31年、大正4年、昭和23年、平成6年という戸籍法、また戦後の家長制度廃止、関連する民法の改正、コンピュータ化にも関係があって、法改正と記述や掲載の方法が変わってきます。


(参考)わかりやすい戸籍の見方・読み方・とり方
かなりお役立ちな本だと思われます。記載例も載せてますから。

だいたい、カラ期間を確認する書類というと、昭和61年以前の記録が関与するから、コンピュータ化される前の戸籍謄本(除籍謄本)が主となる。
(事例2:例えば、こんな感じの字が羅列してあって・・・非常に読みにくい)
「昭和五拾弐年参月六日A田A夫と婚姻届出兵庫県神戸市生田区楠通壱丁目四番地B野B介戸籍より同日入籍」

「昭和六拾弐年四月壱日A田A夫と協議離婚届出兵庫県神戸市生田区楠通壱丁目四番地B野B介戸籍に入籍につき除籍」

(コンピュータ化されている場合・・・こんな感じ)
【離婚の裁判確定日(調停成立日,和解成立日,請求認諾日)】平成20年10月30日
【配偶者氏名】C山C太郎
【受理者】兵庫県神戸市中央区長
【従前戸籍】兵庫県神戸市中央区加納町一丁目4番地 C山C太郎

・・・非常に見やすい。こういうのは、離婚による年金分割の申請に来た時に、お目にかかる戸籍謄本。

さて、本題に戻って、カラ期間のカウントについて。
現在の夫の期間・・・上記のややこしい字の羅列の事例2の場合(婚姻期間は、昭和52年~昭和62年)、今の夫との期間は、夫が厚生年金の加入期間なら、3号被保険者になる。
この人の事例の場合、昭和24年生まれで、もうそろそろ年金受給が近い。しかし、厚生年金+国民年金で300月をクリアするのには、カラ期間を加算していかないと確実に無理な期間数(210月程度)だった。
途中、平成年間に、そこそこ長い未納の期間もあり、今の納付月数では不可能なのは目に見えている。
では、カラ期間のカウントをするのに・・・氏名検索(共通090)で戸籍謄本に載っている名前、生年月日で検索します。
さらに・・・この方の結婚した頃の話を聞いてみます。
『婚姻していた時期、「***」という会社に勤務していて、そこで知り合って結婚した』・・・ずばり、厚生年金の記録に出てきている。
この人か、と分かる。同姓同名の生年月日一致の人って、「田中幸子」「鈴木一郎」なんていう人には多いのは事実。
しかし、こうやって、カラ期間の対象になる人物(前夫)の厚生年金の記録確認をしていく。

・・・さすがに、こういうカラ期間(前夫の厚生年金加入期間による計算)の場合、社会保険庁に、除籍謄本や戸籍謄本を取ってこないといけないし、現在の夫の記録(ねんきん特別便などのお知らせ)を利用するだけでなく、現実的にWMの検索情報を利用して、前夫の情報を割り出して、「この人で合ってますか?」と問い合わせも行うという、複雑な作業が必要になります・・・だから、相談時間にめちゃめちゃ時間がかかってしまう。

でもって、その情報から厚生年金のカラ期間の験算をしてみる。
普通なら、基礎年金番号に統合されていて、前夫は「○○」という会社に勤務してましたか?なんて聞いたら、この人だな、と分かるわけですが・・・これが、また、そのカラ期間の計算の対象者が、すでに死亡している上に、親族も死亡していて、いない、さらには、平成9年以前に死亡(前妻の証言)・・・事例2は、まさにそういう状況でしたが・・・の場合、手帳番号で5つも記録があって、婚姻期間の頃に関係する記録も2つに割れていて・・・これをカラ期間としてカウントしていいのかどうか・・・なんていう難しい事例。一方は3年程度(このときの会社名は記憶にあった)、一方は5カ月程度で合計4年ほどのカラ期間。転職が多かった前夫だという・・・。記録内容が複雑すぎる。
こういう場合は・・・やはり照会票(前妻宛てに「カラ期間」についての調査結果を送る)を書いてもらって、記録が同じ人のものかどうか確認してもらうことになります。それまで、カラ期間が利用できない可能性があります。
また、これらを加算しても・・・250月くらい・・・つまり、まだ4年程度は国民年金を支払う=年金受給権が発生するのは63~64歳くらいになるだろうことを説明する。

・・・この人の場合、苗字が「甲田(もともとの名前)」「乙山(前夫の苗字)」「丙川(現在)」と3つあって・・・「甲田」の時の厚生年金の記録を加えるのにも、会社名が店舗名(店の名前)と合わなくって、「うーん」「どうなんだろう」「この期間、確かに働いていた記憶があるが・・・」と唸っていたから・・・約1時間30分程度、時間を使用してしまう(^^;。

何度も結婚を繰り返した人が前夫や前々夫の厚生年金加入期間に基づいた「カラ期間」を利用する相談っていうのは・・・本当、験算を何回もして確認するから・・・手間と時間がかかります。

では、また、時間ができれば、書いてみたいと思います。

2009年5月 6日 (水)

特別支給の老齢厚生年金の請求書(ターンアラウンド方式)・・・その2。

その1に続いて、その2。
当初、出来る限り分り易く書こうとしても・・・年金記録は多種多様であり、さらにいろんな年金を受給していることもあるだろうし、生年月日もまちまちで、やはり、ケースバイケースで、WMを使って的確にコメントしていかないと、多分、的確なことは言えないでしょう・・・。

(見本4・・・年金の受取先)←(提示するもの)口座番号が分かる請求者名義の通帳。口座番号が合っているかどうか確認します。
ただし、この場合でも、銀行など金融機関の口座確認の印が押されている(=口座があると金融機関から証明を受けている)場合、確認作業はありません。

・・・たまに、妻の年金の入金先として、夫の通帳を持ってきて、「ここに入金してほしい」などという人もいたりします。それは絶対できませんから・・・注意です。本人の年金受給の権利なので、本人の名義の口座に振り込みます。

また、このターンアラウンド方式の場合、金融機関に口座を持っていることを前提に請求書類が作られていますが、何らかの理由で銀行口座を持たない人には、口座振り込みによる支払以外の方法もあります。
ゆうちょ銀行の場合、ゆうちょ銀行の口座振り込みと、社会保険庁送付の送金通知書と交換で現金を受け取る方法と2つの方法が取れます。
後者の場合、ゆうちょ銀行に送金通知書と年金証書を持って行って、そこで現金と交換します。・・・ターンアラウンドの方式は、このことを考慮に入れずに作成されています。
自分の口座を開設していないという人で、こういう方法を選ぶ場合、「送金通知書と交換で現金を受け取る方法を選びます」と窓口で直接申し出します。・・・滅多にいませんけどね。本当にたまーにいますから、未だに、こういうシステムは存在し続けています。

(見本5・・・配偶者・子について、生計維持証明
→(提示するもの・・・子が18歳高校卒以上ばかりの独身者は記入不要)配偶者の年金手帳、戸籍謄本、住民票(世帯全員のもの)、配偶者(または請求者)の所得証明、など。

・・・これは、夫、妻、それぞれ、どのような年金加入記録になっているかによって、上記の添付する書類が変わってくるところです。
「配偶者・子について」ですが、配偶者の基礎年金番号を記入し、名前、生年月日、住所が相違する(例:夫が単身赴任中)場合、配偶者の住所を記入。

さらに、どういう年金を受給している、していないかを質問に答えていきます。
妻が障害年金受給なら、「障害の年金を受けている」に○をして、記号、年金コードを記入。老齢の年金を受給中なら、同様に○を入れる。何も年金を受給していないなら、3番に○を入れます。

→年金受給中なら、年金証書の現物やコピー、年金手帳など持参します。何も受給していないなら、年金手帳などを持参します。そこで、基礎年金番号を確認することになります。

・・・加給年金の対象者の判断材料
(書類を揃えるのにチェックすべき資料)・・・夫婦ともに資料を見比べます。
(参考資料)年金加入履歴、ねんきん特別便、ねんきん定期便
・・・この記録チェックのとき、どちらか一方が、厚生年金や共済年金240月(中高齢の特例に該当の場合も含む)以上加入という場合、添付書類が必要となりますから・・・住民票コードだけで年金請求できないことは注意してください。
また、そういう記録がある配偶者の年金請求の場合も、加給年金終了後(配偶者が65歳になったとき)、振替加算という作業が行われますから、そのための添付書類が必要となります。

(例示・・・こういう感じの年金記録の人ならば、こんな感じ)
A:国民年金のみ加入、または1年未満の厚生年金加入記録

B:国民年金+厚生年金239月加入以下。または、国民年金+厚生年金(男40歳以降、女35歳以降)15年(昭和22年4月1日生まれ以前)~19年(昭和26年4月1日生まれ以前)の加入月数以下の記録(「中高齢の特例」と以下、略します)。

(参考)
厚生年金保険の特例(1)(←中高齢の特例について説明)

厚生年金保険の特例(2)(←528月(44年)厚生年金加入者や障害者の特例、坑内員・船員の支給期間について説明)

(その他、参考)加給年金と過払い・・・よくある「返還してください」と窓口で発覚する時の話、など。(←加給年金支給があっても、こういう問題が起こることもある)

C:国民年金+厚生年金240月以上。または、国民年金+厚生年金(中高齢の特例)以上。

D:共済年金加入240月以上+厚生年金1年以上加入。共済加入が長期間ある。

(・・・加入記録の組み合わせ。代表的な事例パターン・・・妻、夫は、年金記録の状況に応じて読み替えること)
①(夫、妻ともに、A)・・・住民票コードだけでいけます。

②(夫、妻ともに、B)・・・①と同じ

③(夫C、妻AまたはB)
夫の年金請求時・・・戸籍謄本、住民票(世帯全員)、妻の所得証明。

妻の年金請求時・・・戸籍謄本、住民票(世帯全員)、自分の所得証明。

ただし・・・妻が5歳以上の年上の場合、65歳未満の配偶者に対して加給年金が加算されるので・・・(例)夫60歳時、妻65歳なら・・・夫の年金請求は、住民票コードだけでいけます。
妻の書類は、省略できません(振替加算が関与するため)。

④(夫D、妻AまたはB)
夫の年金請求時・・・共済加入期間確認通知書+住民票コードでいけます。(理由)加給年金の書類提出先が、加入期間240月以上ある共済組合のほうになるため。

妻の年金請求時・・・戸籍謄本、住民票(世帯全員)、所得証明(妻の分)←振替加算は社会保険庁の基礎年金支給時に行われますから、書類は省略できません。

⑤(夫、妻ともにC)
夫の年金請求時・・・戸籍謄本、住民票(世帯全員)、妻の所得証明。

妻の年金請求時・・・戸籍謄本、住民票(世帯全員)、夫の所得証明。

・・・ただし③のときと同じく、妻が5歳以上の年上の場合、65歳未満の配偶者に対して加給年金が加算されるので・・・(例)夫60歳時、妻65歳なら・・・夫の年金請求は、住民票コードだけでいけます。

(生計維持証明・・・加給年金がつくかどうかについての質問、確認)
・・・これも、上記の添付書類の内容と質問内容が連動してきます。
上記のような条件分けから、たいていは、夫または妻が厚生年金や共済年金に240月以上加入期間がある場合、その生計維持状態を確認するため、3点セット(戸籍謄本、世帯全員の住民票、厚生年金240月以上加入者の配偶者の所得証明)が必要となります。

生計維持を確認するために・・・
婚姻している事実・・・戸籍謄本
世帯が一緒である、または家計を1つにしている
・・・住民票(世帯全員)。

夫が単身赴任している(・・・家計を1つにしている)
住民票(それぞれの世帯の分)
健康保険の被扶養者カード、別居していることの理由書(白紙の便箋あたりに、「別居していることの理由書」と書いて、どういう理由で別居しているか、また、生活費をどのように受け取っているのかを書くのでもよい)

(生計維持・・・加給年金、振替加算の対象者になる収入の要件)
年金の場合、年収850万円(所得655.5万円)未満である。単純に、妻や夫の所得証明自体が、この額以下なら、別に問題ない。
「生計維持証明」の質問内容を見たら分るが、(請求者が)「おおむね5年以内に850万円未満となる見込みがありますか」・・・とあったりする。
5年以内に会社の役員を退任すると分かる議事録があるとか、会社の就業規則で定年の年齢が書かれてあって、それが5年以内になることが分かるとか(=5年以内に所得が激減すると予測できる、という証明書類)・・・そういうものが証明書類となります。

請求者がおおむね5年以内・・・という欄に書く人は、振替加算の対象者。つまり、上記事例の3番や4番の妻が記入する。

(加給年金の支給停止)
厚生年金240月以上加入でも、加給年金が停止する場合。
配偶者が、
①老齢厚生年金240月(中高齢の特例を含む)以上の者で厚生年金を受ける者。
②障害厚生年金、または障害基礎年金を受ける者
③共済組合の給付で、障害、または240月以上の退職年金を受ける者

・・・上記年金も、在職老齢の調整で年金が全額停止になったり、障害等級が下がり全額支給停止になるなら、加給年金を受けることができる。

公的年金等の受給者の扶養親族等申告書
支払われる年金額が一定額以上(65歳未満=108万円、65歳以上=158万円)の場合は、税金が差し引かれるが、裁定請求書の「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」欄に記入し、申告することにより各種の控除がうけられる。
ただし、現在会社勤務しながら年金受給する場合は、会社で所得税の年末調整をするので、年末までに退職するつもりがないのなら、そこで調整されることになるので、書く必要がない。

年金の裁定と支払い
年金証書は、書類提出後1~2ヶ月で送付されてくる。その送付後、50日程度したら、社会保険業務センターから「初回の支払額について」という通知が送られてくる。
初回のみ、事務処理の遅れなどで奇数月に入金されることがある。また、誕生日の前日が属する月の翌月から支給・・・ややこしい言い方だが、たとえば、5月1日生まれ=4月30日に60歳になる=5月から年金支給の月になる、という意味。
5月2日生まれなら、6月から年金支給になるということだ。
・・・このPDFでは、現況届が出ているようだが、現況届は、平成18年頃に廃止され、住民基本台帳ネットワークに接続して、現況確認しています。・・・ただし海外で住む人は、そんなシステムがありませんから、現況届を出してもらうことになります。

・・・分り易く、やさしく書こうとしたのに、全然、やさしくないし、分りにくい書き方になってしまった。

特別支給の老齢厚生年金の請求書(ターンアラウンド方式)・・・その1。

ねんきん定期便以外の日で、年金相談の日は、主として、障害年金、遺族年金、老齢年金の裁定請求書(←これが当然ですが一番多い)のチェックをするのが多いのですが・・・老齢年金の場合、その持ってくる人の反応とか、また、この時を利用して年金について質問するとか、年金記録を探してもらうとか・・・まとめてそういうことをしようという人が多かったりして、時間を食うことが多いです。

また、年金見込み額や、全部・一部繰り上げ請求、在職中の年金受給、雇用保険の基本手当との受給調整(年金停止)、高年齢雇用継続給付金との調整、さらに、配偶者加給年金のことについて・・・まで、一から十まで年金のことについて説明していきます。
⇒だから、人によっては1時間以上かかることもあって、行列ができてしまうのです。


年金手続きの手引(年金と健康出版社)
そこそこ、よくできている本。
年金請求する時期になった人は、これを読むと、40程度の事例をあげて説明しているので、これで自分がどこに当たるのかをチェックすると、添付書類もその事例のページに掲載してあるから、スムーズに集めることができる。だから、60歳の誕生日の前日以降に、その日以降の日付の書類集めて郵送だけで済むというもんです。
・・・もちろん、それ以外にも、年金受給者が聞きたいと思っている一般的な質問から、具体的な内容まで説明している。
よーく見たら、この方、同じ県の会員の先輩でした(さらに行政協力も経験している方でもありますし・・・質問が多い事項や内容もおさえている)。

・・・上記の本では、44事例あるというわけだが・・・それも、多くの場合、配偶者加給年金に絡んでくるところ(←このことは、よく添付書類が漏れる場合が多い)が多く関係している。

さて、話をもとに戻して・・・ターンアラウンド方式の老齢厚生年金請求書(平成18年以降、60歳時点で厚生年金が受給できる人対象に誕生日の3か月前に業務センターから送付される)をチェックするとき・・・どこをどう見ているのか?というと・・・記入漏れがないかどうか。
といっても、たいていの人は、黒く太い枠になっているところを書いていけば、たいていの人は完成します。
・・・ちなみに、カラ期間などのことは考慮せずにターンアラウンドの請求用紙が発送されますから、国民年金+厚生年金の加入月数230月とかいう人は、「年金受給するのに、加入期間が足りません」というお知らせのハガキが送られてくるだけです。
カラ期間の確認の場合・・・主として、配偶者の年金手帳と戸籍謄本を持って窓口にくることです。(参考)老齢基礎年金の合算対象期間・・・これが利用できるかできないかで、天国と地獄、雲泥の差になります。実際、そういう場面を私は、何度か見てますし・・・。

あとは、添付書類ですが、誕生日の前日以降のものを用意します。だから、たとえば、60歳の誕生日が平成21年7月(昭和24年7月生まれ)の人は、誕生日の前日以降のものをとることになりますから、「事前にとっておこう」などと考えないように。これは注意することです。
早く取った日付の添付書類は、意味がありません=もう一度、誕生日の前日以降の日付のものを取ってきてくださいと言われます。また、戸籍謄本が必要でも県外から取り寄せるのに時間がかかるという時でも・・・日付を考えて郵送してもらってください。
まあ、例外的に、戸籍謄本など、そういう書類をとるのに困難な人は、事情を話せば、住民票のほうだけでも、誕生日の前日以降のものを持ってきてOKという例外的、便宜的な配慮もあったりしますが・・・。

(見本・・・最初のページ)←(提示するもの)年金手帳、基礎年金番号通知書など、基礎年金番号が分かるもの。住民票コードが載っている書面など。

請求書に載っている番号が合っているかどうかの確認、本人確認も、窓口でしますので、提示します。

住所のフリガナ・・・記入。
氏名とカナ・・・チェック。その後、署名または押印欄に名前を記入する(←署名が一般的)
基礎年金番号、生年月日・・・合っているか確認。
電話番号・・・記入。

基礎年金番号と異なる手帳番号があるなら・・・の部分ですが、他にあったとしても、その手帳番号が載っている年金手帳に「基礎年金番号に登録済み」というハンコが押されていたら、別に書く必要もない。

住民票コード・・・添付書類の説明の中に、住民票コードを書きいれたら添付書類を省略できます、とか書いてある部分もあるのですが・・・その条件の人なのかどうか、あなた自身、ターンアラウンド方式の裁定請求書をじっくり読んでいない・・・というか、私が思うに、なかなか、あの緑色の封書の中身を見て、どれがどう必要なのかなんて、分かりにくいだろうな・・・とは思うところ。

・・・ここで、まず、こういうことを着目しましょう。
(添付書類の発行手数料がかからない住民票コードのみでいける人、または、それだけでは申請できない人の判断)
端的に言ってしまうと・・・60歳時点で独身の人で18歳高校卒業前の子がいない人は、住民票コードでいけます。

配偶者がいる(←「いる」「いない」と書く欄もあり)・・・この場合、長期間、厚生年金加入なら、添付書類が8~9割がた必要だと思っておいてもらえば、確実です。
また、夫や妻(配偶者)がそういう人なら・・・夫がたとえば厚生年金40年程度加入なら、妻自体の年金請求のとき、やはり添付書類が必要になります。
・・・という、配偶者の記録によっても、添付書類が左右されるというのが、老齢の年金請求です。

配偶者がいても、添付書類が必要ない、住民票コードでいけるだろう人・・・年金請求しにきた時、検索により、年金記録が見つかったり、水色のねんきん特別便が届いていたのに記録が加わっていない人で、ターンアラウンド方式の請求書が届いた人・・・もしかすると、記録が加算されて、厚生年金(または共済年金)の期間が240月以上(男性40歳、女性35歳以降の厚生年金記録が15~19年以上)になるなら・・・加給年金が加算される人になる、または65歳時に振替加算の対象者になる=住民票コードだけでは年金請求できません。

・・・だから、事前に年金記録のチェック(夫婦ともに)と、被保険者加入記録照会回答票(・・・ねんきん特別便と同様の形式のもの)や、今年なら、ねんきん定期便の「加入履歴」を再度見直してみる。
そこで、夫婦のどちらか一方、厚生年金が240月以上あるという人は・・・住民票コードだけで手続きできない、添付書類(よくある提出パターンでは・・・戸籍謄本、住民票(世帯全員)、妻の所得証明)が必要な人です・・・というのが、端的な説明(理由:加給年金加算対象者、振替加算対象者になるから)。
もちろん、これに加えて、夫婦の生年月日に基づいて、添付書類をつける人、付けなくてもいい人など、いろいろ場合分けしないといけなかったりすることもあります。・・・だから、ややこしい(^^;。

(見本2・・・年金記録の掲載ページ)←基礎年金番号以外の他の統合されていない年金手帳、厚生年金被保険者証などがあるなら、それを提示。

本人の年金記録の掲載をチェックして、加入期間が間違ってないか、加入期間の漏れがないかを見ます。間違っている場合、2重線を引いて日付を変えて横に書いたり、漏れている期間があって、会社勤務などの記憶があるなら、加入期間を書き込む欄もあるので、書き込みます。
国民年金の納付した記憶があるが、未納になっている・・・という場合は・・・ここに無理に書こうと思えば、書けますが・・・事情説明を書く量が多くなってしまって、書くのが難しいので、「国民年金保険料納付記録の照会申出書」を利用しましょう。

・・・この場合(←厚生年金記録を探す)、窓口で「どんな会社名ですか?」など、詳しい話を聞きながら、会社の厚生年金の名簿に当たっていくこともありますし、普通に氏名と生年月日で検索すると出てくることもあります。
最近なら、ねんきん特別便の回答状況や他に本人らしき記録が上がっているかどうかの情報なんかも見ながら、逆に「こんな会社、行っていたことありますか?」と問いかけることもあります。
・・・これは、窓口に来ないと、なかなかできないことなので・・・郵送の場合で記録漏れを指摘した場合は、調査結果が出てくるのに・・・なかなか探しにくいものなら・・・半年から1年くらいは覚悟したほうがいいでしょう。
だいたい、氏名検索(生年月日一致)で簡単に出てこないパターンのものは、マイクロフィルムで確認するようになりますから。
たとえば、前回の記事なんか、そういう事例の最たるものです。

・・・また、60歳時点で厚生年金の記録が1年未満の場合、65歳に送られてきますので、単に厚生年金の期間があるという人は、60歳時に送付されてこないということも・・・知っているとは思いますが、指摘しておきます。

(見本3・・・「請求される方」について
←(提示するもの)雇用保険の被保険者番号、遺族厚生年金の証書、など・・・番号が合っているかチェックします。
他の年金受給に該当しない、最後の雇用保険加入→退職から7年経過という場合などは、提示不要。
また、共済組合の退職共済年金を受ける人は、「共済加入期間確認通知書」を提示。

(質問事項)
「現在、年金を受けていますか。該当する番号を○で囲んでください」・・・すでに障害厚生(共済、基礎)年金や遺族厚生(共済、基礎)年金、退職共済年金など、受給中の人は、書く欄がありますから、記入します。1番の「受けている」に○を入れる。
また、「受けている」「請求中」に○を入れた人は、5ページの記号(「ア」とか「イ」とか)を選んで記入します。
・・・このとき、年金見込み額を試算してもらい、一番高い年金を選択します。ただし、共済年金(遺族、障害)が関係したら、試算はできませんから、注意です。

→退職共済年金の場合・・・「共済加入期間確認通知書」を共済組合から送付してもらって、添付します。老齢厚生年金+退職共済年金の場合、両方受給することになります。

(遺族年金、障害年金受給者の添付書類・・・)
年金受給選択届(たいていは、「最も有利な年金を選択します」と書いた判子が押されている)。←これも、そういう対象者なら、もらうようにしてください。窓口では、請求する時に渡します。

(2)以下の項目に・・・という質問。現在では、ほとんど見受けられない。昭和61年以前から、障害年金を受給していないなら、まず「いいえ」と答える質問。
「特別一時金」・・・昭和61年4月、国民年金法が改正になり・・・一人一年金の原則(障害の年金を受給する場合、老齢の年金は停止)になる。しかしそれ以前に障害年金の受給者になっていた人は、昭和60年の法改正前まで、国民年金を任意加入して、老齢年金と障害年金を受給できるという制度になっていた。だから、そういう人は、国民年金をかけていた期間について、特別一時金を支給しますという法律が作られたわけです。
だから、現在の状況で障害年金を受給もしていない人は、こういう質問には・・・一応「以下の項目に該当しない」=「いいえ」となる。

「昭和36年4月~昭和47年5月まで沖縄に住んでいたことが・・・」の質問=沖縄の特例のことを質問している。
基礎年金を計算するのに、国民年金の加入期間を見ます。しかし、沖縄に住んでいた人は、日本の本土復帰が昭和47年5月、だから、当時、沖縄在住の人たちは、国民年金加入をしようと思っても、そこから(厳密には、昭和45年1月に沖縄では制度発足)となってしまいました。
そのため、救済措置(みなし免除期間や期間短縮特例)が導入されました。この質問の意図は、そういう特例を利用できる対象者ですか?ということです。
だから、沖縄に住んでいなかったなら、関係ない質問。たいていは「いいえ」に○をすることになる。

(雇用保険の被保険者番号)
現在も加入して会社勤務の人・・・(3)「はい」→雇用保険被保険者番号を記入。
現在、専業主婦で、パートをちょっとしていても雇用保険に入っていない。しかし、若いころ、結婚前とかに、厚生年金、雇用保険に加入していた・・・(3)「はい」→5ページの「事由書」に記入。
だいたいは、「エ.雇用保険の被保険者でなくなってから、7年以上経過している」に○を入れる。

ずっと自営業で、20年ほど前に会社設立して、従業員も10人程度いて、厚生年金加入したという社長・・・(3)「いいえ」→5ページの「事由書」に記入。
「イ.雇用保険の加入事業所に勤めていたが、雇用保険の被保険者から除外されていたため」(会社代表者=雇用保険の適用除外者)
あと、若いころから共済組合加入であって、年金請求時には、準公務員という場合・・・「イ」に当たることもあります。例えば、都道府県の長が厚生労働大臣に雇用保険除外の承認をもらったという対象の労働者の場合。←稀ですけどね・・・。

または、自営業→1人会社設立という場合で、厚生年金加入している場合は、(3)「いいえ」→5ページの「事由書」に記入。
「ア.雇用保険に加入したことがないため」

・・・まあ、まれに、こんな場合がある?かも。雇用保険に加入していない事業所、たとえば、個人経営の農林水産業の5人未満の事業所。ここなら、「ウ」の「雇用保険に加入していない事業所に勤めていたから」という理由はありそうです。
でも、こういう事業所、まず厚生年金、健康保険のほうには入っているとは思えないわけで・・・。

(4)雇用保険の基本手当(船員保険の場合は失業保険金)または高年齢雇用継続給付を受けていますか。(または受けたことがありますか。)
・・・この質問の場合、再雇用制度や継続雇用制度があり、会社の就業規則などで、そのような制度がある、また、60歳以降、子会社に出向など月給が以前(60歳前)の半分くらいに下がるという場合、この質問の「はい」にあてはまります。

また、60歳になったときに、再雇用や出向などを希望せず、自ら退職した(その後、雇用保険の基本手当を受給する)という場合、年金受給と重なるので、年金は全額停止になります。

・・・この受給が近々あるという場合。
緑の封筒の中に、「老齢厚生・退職共済年金受給権者支給停止事由該当届」という届出用紙が入っていますから、雇用保険受給者証をもらった時や、高年齢雇用継続給付金支給決定通知書をもらったら、基礎年金番号や雇用保険被保険者番号を記入し、それらの雇用保険関係の通知物をコピーし、添付して、支給の開始時期などを書く欄に記入し、提出するようにします。

(参考)
老齢年金と雇用保険の調整

老齢年金と雇用保険の調整(2)

高年齢継続雇用給付

(・・・その2に続く)

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