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2009年4月28日 (火)

ねんきん特別便、黄色の封筒の郵送物「年金記録確認のお知らせ」・・・一癖も二癖もある難解な事例。

「年金記録確認のお知らせ」とは・・・
【明解要解】ねんきん特別便 漏れた記録の扱い (平成20年6月30日)
http://sankei.jp.msn.com/life/welfare/080630/wlf0806300820002-n1.htm
(記事から)
 該当者には6月30日から順次「年金記録の確認のお知らせ」という名称の黄色の封筒を特別便とは別に送付。同封の加入履歴には漏れた記録そのものが記載され、「記載した記録はあなたのものである可能性が高い」と知らせる。ただ、なりすまし防止のため、過去の勤務先名や住所地は記載されていない。

・・・ねんきん特別便の最近の動向・・・黄色の封筒が多数の人に郵送中でも指摘した話ですが・・・当初の黄色の封筒のねんきん特別便は、ちょっと検索したら出てくる内容だったのですが、今年2月~4月くらいに送られているものは・・・一癖も二癖もある、かなり難解のものが郵送されていました・・・今も?だろうけど。

つまり、例示すると・・・
去年ぐらいの黄色の封筒のねんきん特別便は、
「タナカ サチコ」の名前での記録
資格取得年月日 昭和40年1月5日
資格喪失年月日 昭和41年1月1日

と記載されていて、「年金記録の確認のお知らせ」「この記録に心当たりはありませんか?」と書いている。
また、もう一枚の回答票に、「これは私の記録です」「私の記録ではありません」とマルを書く欄があって、それを返送するようになっています。
そして、その裏面に、記録が書いてあり、やはりマルを入れる欄、会社名を書く欄もあります。
そこで回答に基づいて、記録統合する作業をやります。窓口に直に質問に来て、そのまま記録を加えて、60歳以上で年金受給しているなら、再裁定(年金額の再計算)になります・・・今でもやっぱり業務センターの事務処理が進まず、今手続きしても、9か月以上、その見つかった記録の内容によっては、1年を超えることも確実にあり得ます。←よく業務センターのほうに聞いてほしいと窓口にやってくる人もいて、センターの回答もやはり、手続きした当初の予想されていた期間を超えているので、「まだまだかかるのか・・・」とガッカリして帰っていく人も多くいます。

話を戻して・・・黄色のねんきん特別便の話。
黄色の「年金記録確認のお知らせ」は、最近送付されたものは、非常に難解な事例がある。
例示すると、
資格取得年月日     資格喪失年月日
昭和35年1月15日   昭和35年10月15日

・・・と書いてあるだけで、旧姓の名前とか、
田中幸子(タナカユキコ)なのに、「タナカサチコ」と名前が名前が記載されていたものが、そういう記述もない。つまり、全くのノーヒント。

・・・これは、ねんきん特別便の窓口の検索する側にとっては、非常に困難な作業になる。
その人の名前から、「この読みの間違いか?」「生年月日の間違いか?」「漢字の間違いか?」など、いろんな場合を考えて、多数の検索をかける。だから、後日、1日の検索結果を報告する用紙を書くのに、検索数が60件程度あって、1時間くらい時間がかかってしまうこともある・・・。

(事例1)
生年月日が、「昭和17年」が「昭和14年」だった。
名前から検索します。こういう人の場合、さらに養子に入った、2度3度と結婚したとかいう、そんな名前の変遷もあったりして「そういうことを先に教えてくださいよ・・・」と感じることも多数回ある。
・・・これも、本人が「㈱○○○です」とはっきり記憶があるのなら、すぐに会社の厚生年金の名簿にあたっていって探せるのだが・・・たいてい、こういう記録で黄色の特別便が発送された人は、転職を何度も繰り返していて、「△△△だったかも」「□□□?」など、いろいろ言う人もいます。
それどころか、そんな会社名も言わない人・・・その記録を見ても、「思い出せない」と解答する人。こんな場合、私もお手上げです。
唯一、お知らせの年金記録が載せてある用紙の左上に「確認番号:C01234」と書いてある番号から、どういう間違いなのかは知ることができます。・・・それをやりはじめると、職員の方がパスワードを入れて、その間違いの内容をチェックするのに、そこそこ時間かかることもあるから、後日にお知らせするということをやったりもします。

事例1でいうと、会社自体、昭和32年から33年の1年程度の記録だったりするのだが・・・昭和32年=15歳だから、労働基準法的に残業させられない=だから会社は、わざと18歳と申告して、深夜の残業ができるようにした・・・という工場勤務の記録。こういうのは、本当、ちょっと検索したくらいでは、見当がつきません。
だから、出来る限り、本人に「どういう名前の会社でした?」「どんな風な会社でした?」「どんな感じの仕事でした?」など窓口で詳しく聞き取り・・・その情報、ヒントをもとに、いろいろ自分の検索経験、その処理事例の積み重ね、あと予測できる間違いのパターンなども考えつつ、「こういう間違いしているんじゃないか?」などの予測をしていきます。
この人の場合、会社で、深夜の残業するのに、会社の申告で、年をごまかして働いたことを覚えていたから、そこそこ早く見つけられたのですが・・・こういう間違い、ノーヒントでは、かなり難しいです。

(事例2)
名前の濁点がない。・・・たったこれだけだとしても、本当に、最初は「???」となってしまう事例です。
たとえば、「ヤマダ カヅコ」「山田加津子」(漢字名)を「ヤマダ カツコ」と入力されていた、という事例。・・・こんな場合も、本人に、多分「***工業じゃなかったかな?」とかいう、その当時の思い当たる情報を事前に話しながら聞いておきます。
また、そんな会社名をいうと、***工業自体が上場1部の会社で社員が何千人といたとかいう・・・と、ほぼ同じ生年月日の人が100人レベルでいたりして、「健保・厚年、080」(厚年原簿表示)でも「該当者が100人以上存在します」となって、出せなかったりします。
もう、そうなったら、読みの間違いそうなものを、いくつも挙げて検索していく戦術しかありません。
・・・手紙には、昭和42年から44年の記録、とか出てて・・・このWM(端末)に情報が入っているのか・・・誕生日が数日異なったり、濁点が落ちているだけで年金記録の検索結果が出てこないブラック・ボックス・・・と実感するし、手紙には「こういう記録があります」と出ているし・・・そして、ビーという音とともに「該当者がいません」と赤字で何度も表示され、焦ってくる。
最後の最後に、濁点抜いてみるか・・・「ヤマダ カズコ」「ヤマタ カズコ」「ヤマタ カツコ」「ヤマダ カツコ」←おお、あった、という具合になります。

(事例3)「欣永」という名前。これは、非常に難しかったです。
最終的に、この読み方をWM上で、どうなっていたか?を聞いて驚きました・・・。
「欣永」・・・本当の読みは、「ヨシナガ」。
やっぱり、「年金記録の確認のお知らせ」には、1か月程度の記録表示がある。昭和38年7月1日から7月25日まで。・・・記録を見てて、よく考えると、記録加えても、1か月増えるというわけでもない。・・・さらに、その後、7月26日以降、他の会社にまた入社しているのだから。
いろいろ話を聞く。この方は、会社を15社程度、やめたり入ったりしていて、ねんきん特別便が2枚にわたってきている。
しかも、会社名を聞いても、「思い出せない」との回答。
ノーヒントでの検索。「キンエイ」「キンナガ」「ヨシエイ」など試してみる。さらに、「健保・厚年、080」(厚年被保険者原簿表示)でやはり生年月日と当時住んでた地域などから、探してみる。
・・・すると、下の名前が同じの人が、名簿の画面に出てくる・・・「もしかして、旧姓があるんですか?」と聞くと、「そうです」と答える。
ううっ、そういう情報は事前に教えてくれないと・・・困る。
旧姓の検索から、2つ程度、生年月日も1日違いのものを2つ程度見つけ、年金記録、3年分程度を加算する。
でも、旧姓の記録を見てみても、昭和38年7月1日から7月25日までの記録が全く分らない。

・・・結局、「後日お知らせします」として、照会票だけ書いて提出してもらう。
あとで、この名前の間違いを教えてもらったのだが・・・「欣永」を「キンジ」と読んで入力していた・・・これは、私もさすがに絶対読めない。しかも、生年月日が一緒でも「キンジ」では、他人という可能性も、そこそこある。
現実的に、同姓同名の他人は実在し、その人が結婚や養子に行った場合、その遍歴(氏名変更届がある等)があるなら、その人の記録だろうと予測して、苗字が違う人に手紙が行くことも予想できるのだが・・・。
こういうものが、黄色のねんきん特別便に入ってきているから、難解極まりない。

(解説:マイクロフィルムによる年金記録のチェックについて)

平成20年1月ごろより、WMに、このシステムが導入され始めました。つまり、オンライン上の情報が本当に合っているのか?また、オンライン上に本人の名前が出ているが、たとえば、国民年金の被保険者台帳の記録なら、住所の情報から「**市に住んでいましたか?」「昭和**年に住所を○○市に変更しましたか?」など、本人確認する強力な検証資料として導入されました。

しかし、この情報、まだ整備中(平成21年4月現在)のようで、本人の発言によって、オンライン上に検索情報としてはないが、マイクロフィルムの記録が検索によって出てくる場合もあります(これが意外とある)し・・・本人が言っているとおりには出てこないこともあります。

だいたい調査をしてもらって、回答があるのですが・・・それでも、見つからないことは、よくあります。まあ、ここに書いてあるようなことが、現実に起こっていたりするからですが・・・。

だから、もし、ねんきん特別便に回答を寄せていない人で、こういうマイクロフィルムで検証すると記録が出てくることもあるので・・・記録が載ってないから、回答をするかどうか迷っている人は、会社名を書くだけ書いて、業務センターや社会保険事務所に送ってみるべきです。

そのことが・・・業務センターがそのこと(記録照会)を認知する→関連するマイクロフィルムを探す→マイクロフィルムがオンライン上に載ってくる、という具合に、調査作業、検証作業が進んでくる原因、理由になるからです。

総務省:年金記録問題検証委員会(←ここの情報は、年金記録の歴史を知るのに非常に参考になります)
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/hyouka/nenkinmondai.html

年金記録管理の変遷等
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/hyouka/nenkinmondai/pdf/190626_1_2-2.pdf

実施組織の変遷
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/hyouka/nenkinmondai/pdf/190626_1_2-3.pdf

マイクロフィルムに保管されている台帳等の例(←こういうマイクロフィルムを目視で確認します・・・字がひどい、小さい上に、中には文字がかすんでいる、破れてセロテープを張っていて文字が判読できない、同じく、シミがついて文字が見えにくいものもある)
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/hyouka/nenkinmondai/pdf/190626_1_2-4.pdf


(話を戻して、黄色い封筒のねんきん特別便について)

・・・さらに、私自身、「これは・・・」と思う内容の記録内容、その記録の間違いを見たりします。これらは、確かに残り1千万件ほどある中の難解事例なのだろうと思われる黄色のねんきん特別便でしょう。
(事例4)
他人の記録が加わっている手帳番号の記録が、「年金記録確認のお知らせ」に載っている。
・・・本人に、やはり「この記録について、記憶がありますか?」と尋ねる。
(例示)
資格取得年月日     資格喪失年月日
昭和38年10月1日   昭和38年12月15日
昭和44年5月1日    昭和55年10月1日

・・・この方は、昨年6月頃に届いたねんきん特別便も持ってきて、「昭和44年頃の記録は、****という会社(現在、存在しないため、ねんきん特別便では「厚生年金保険」と表示)にいたから、下の記録は、その会社だろうと分かるけど、上の記録は、全然見当がつかない」とのこと。
これも当初は、旧姓や名前の読み違い、生年月日の間違いなど、いろいろ試してみたが、まったく見当たらず。・・・この時点で、そこそこ時間が経過している。最初、「簡単に見つかるだろう」なんて高を括っていたが・・・全然、無理。検索する術がなく、断念してしまいそうだった。
再度、話をよくよく聞いて、今度は、昭和44年の頃の会社名から、厚生年金の名簿を当たってみる。
すると、大正14年10月15日生まれなのに、大正10年5月27日(生年月日が、でたらめすぎる)で、同姓同名の名前が入っている。そこの手帳番号から、昭和38年頃の記録を出して見てみる。
・・・昭和38年頃に「▲▲▲」という会社に行ったことあります?と社名を言っても、「記憶にありません」と答える。
そこで、手帳番号に載っている、課所符号番号をもとに厚生年金のマイクロフィルムでの名簿を見てみる。
(手帳番号の記録では・・・例だが)
4201キクア-00456
5-38.10.01 2 014 2 002
5-38.12.15       4
のように出ているので、ここから、原簿の内容を見てみると、全然、別人の記録(名前が明らかに違う)が入っている。本人の申し出通りだ・・・。
昭和44年頃の記録は、マイクロフィルムでは、そのまま、名前も生年月日も合致して出ている。
・・・「こんなことあるのか・・・」「なんで???」と思ってしまった事例。この、昭和44年頃の記録については、すでに年金受給している記録として入っている。
記録としては、手帳番号の記録自体、何らかの原因(多分、入力ミス?)で、そんな表示になっているようだった。
結果として、他人の記録と分離処理されるということ=こちらの記録の間違いで、お知らせが行ったが、昭和44年頃の記録はすでに年金受給者の記録に登録されていて、年金額として何の影響もないことを説明する。

(事例5)
全然、名前が違う。・・・これには、かなり衝撃を受けましたし、驚愕しました。なるほど、氏名検索で、いくら検索しても出てくるはずがない(^^;。確認番号から、どういう間違いか調べるしか手段がありません。
もちろん、こういうのは、「年金記録確認のお知らせ」に、名前が載せられないでしょうね。
(例示)
4201-111222 「山田太郎」(昭和2年3月4日生まれ)と手帳番号の情報がWM(オンライン情報)に出ている。←窓口に来た人は「山本一郎」さん。
しかし、その手帳番号が載っている会社の厚生年金の原簿(「健保・厚年、080」(厚年原簿表示)の内容から)には、はっきりと、
4201-111222 山本一郎 昭2・3・4
・・・と出ている。
そして、その名簿の次の欄を見てみると・・・
4201-111223 山田太郎 昭3・4・5
・・・となっている。
これって・・・原簿からオンライ上に情報を載せる際の、手帳番号自体の1つ番号違いの入力ミス?
これについては、かなり驚愕しました。

・・・また難解な黄色のねんきん特別便「年金記録確認のお知らせ」がやってくるのだろうか。・・・といいつつ、私自身、そこそこワクワクするものもあったりする。

年金記録問題の全体からみる4つの事象、管理の現状(イメージ)について
http://www.sia.go.jp/top/kaikaku/kiroku/pdf/2.pdf
上記PDFで、

事象2・・・これはリアルにありましたし、私は本人から「こういう記録はないか?」と詳しく話を聞いて、いくつか見つけています。つまり、基礎年金番号や手帳番号に記録はない(WM上に登録なし)が、マイクロフィルムの記録にはあるというもの。
対処法:「健保・厚年、080」をフルに利用します。

事象3・・・今回の黄色の封筒のねんきん特別便のことに当たるだろう。
すでに、ここの記事で内容を指摘済み。これも、まだまだ想像がつかないことがあるのだろう、多分。

そこそこ難解な間違いをしているのが、残りの約1000万件だとすると・・・この処理に時間がかかってしまうのは、本当に仕方がないと実感できる。
(参考・・・社会保険庁HP)
今後解明を進める記録は1,162万件となっている。
http://www.sia.go.jp/top/kaikaku/kiroku/070831shintyoku.htm

(未統合記録の内容)
Kaimei1_2 

2009年4月27日 (月)

ねんきん定期便の見方・・・さらに、+α、回答の仕方。

最近は、ねんきん定期便の窓口でいろいろ事例を見させてもらってます。また、普通に60歳になって老齢年金請求時にねんきん定期便をもってくる人もいます。
・・・まあ、現実的にいえば、被保険者=今現在働いている人が大半=ほとんど窓口に来ない、というパターンが多いです。来るとしたら、3号被保険者の妻が夫の封筒も持参して、いろいろ話を聞きたいと来ることはあります。
自分が思うに・・・あの内容を見て、また、その記録を見た人の感想や話など聞いてみて、どこがどう間違っているのか本当に分かるのだろうか?と思ったりします。給料明細、国民年金の領収書など具体的に検証できる書類があるなら、保険料の数字も検証可能でしょうけど。

そして、その届いた年金定期便をみて、その後、どうしたらいいのか?というのが、代表的な質問の内容では多いです。

(ねんきん定期便の概要)
平成21年度・・・誕生日月ごとに発送(ただし、4月1日生まれ=3月31日が1歳カウントされる日=誕生日月の前月=来年の3月に発送、ですから注意。同様に、毎月1日の生まれの人たちは、年金定期便は、前月末日に1歳年を経たと計算されて、送付されます)。

(作成時期)作成時期は、2ヶ月ほど前のため、この間に住所変更しているが、社会保険庁に報告していないようなら・・・また、住所の番地など間違いがあって郵送できない状況なら・・・こういう郵送物が届きませんから、そういう点(住所相違や会社退職後の国民年金未加入など)をチェックする上でも、(郵送物が)「届いた」「届かない(=もっといえば、国民年金の納付書など届かない)」ということだけでも、かなり有用な情報になります。

(参考)ねんきん特別便、ねんきん定期便が届かない原因(住所の違い・・・この記事の後半部分に記載)←主として、社会保険庁に登録されている住所が現在の住所と異なるから。

(・・・封筒の中身の記述内容)
①年金加入期間(加入月数、納付済み月数など)
②50歳未満の人には加入実績に応じた年金見込み額。←ほとんど、将来の年金額の数字に近似値ではない、あてにならない数字。年金加入期間が短い人ほど、よりそういうことがはっきりする。

50歳以上の人には、「ねんきん定期便」作成時点の加入制度に引き続き加入した場合の見込み額。←だから、まだ年金受給まで8年、9年とある人は、はっきり言って、この見込み額の数字はあてにはならない。
そういう点は、非常に年金請求時に、58歳時の見込み額と違うじゃないか!とよく文句言われますが、その間に、年金制度をたとえば、厚生年金→国民年金と変わったとか、転職して給料が激減したとか、不況のためボーナスが激減したとか、そんなことまで想定して58歳時の見込み額を作成してませんから・・・注意です。

すでに年金受給中(全額停止も含む)の人には年金見込み額は通知しない。
③保険料の納付額

④年金加入履歴(加入制度、事業所名称、被保険者取得・喪失年月日など)
⑤厚生年金の全期間の月ごとの標準標準月額・賞与額、保険料納付額
⑥国民年金の全期間の月ごとの保険料納付状況(納付、免除、未納などの表示)

平成22年度以降・・・毎年誕生日月に発送。
上記にある①~③については、更新し通知する。⑤、⑥は、直近1年分を通知する。
また、35歳、45歳、58歳の人には、21年度の内容と同じものを情報更新して通知する。

「ねんきん定期便」の封書の色や回答票の色について。
参考PDF

封筒の色がオレンジ色
①名寄せ特別便(水色の特別便)未回答者で、その人の記録の可能性が高い人
②水色の特別便に「訂正ない」と回答しているが、その人の記録の可能性が高い人
③標準報酬遡及訂正事案の可能性がある人

・・・これらの人は、水色の回答用紙が入っています。→かならず回答することと書かれています。
水色の回答用紙PDF参照)
①~③以外の人で、58歳の人にも、上記の回答票が入っていて、やはり回答は必ずすることになっています。

水色の封筒
上記以外の人。
・・・ただし、回答票は、ねんきん特別便に未回答の人は、上記の水色の回答用紙が入っていますから、間違いないなら、間違いなしで返送する。間違いあるなら、例示にあるような書き方をして回答する。
・・・記憶にない、間違いかどうか分らないなら、「分らない」「××年から○○年までについて、記憶にない」と書く。できれば、どこが、どう分らない、記憶にないのかも具体的に書く。

ちなみに、水色の封筒を受け取っていて、ねんきん特別便でも「間違いありません」と書いて返答した人→回答用紙は返す必要がありません。
逆に、記録を見てみて、たとえば、標準報酬月額と給料明細の保険料が相違するというのなら、そのことを例示のように記述して返送します。
白色の回答用紙PDF参照)

(参考内容)
「ねんきん定期便」を受け取られた皆さまへ(回答協力への勧奨チラシ)

ねんきん定期便の国年記録と厚年記録の表示内容や見方(政府広報)

標準報酬月額の変遷(法改正の歴史・・・標準報酬月額の最高額の変遷)

厚生年金保険料率の変遷(・・・過去の給料明細を保存している人は、保険料の額が合致しているかどうか検証できます)
・・・最近も、やはり、給料明細(労働契約書も持っていた)と、厚生年金の保険料の突合せで、「どうもおかしい」と訴え出る人がいました・・・その人は、水色の封筒で、白い回答用紙の人でした。
だから、給料明細を持っている人は、保険料の所を突合するといいでしょう。ただ、厚生年金基金加入の会社の場合、給料明細にどのように表示されるか、基金ごとに異なる(・・・「掛金」の額は基金の規約によるから)ため、数字を的確に把握できないといえば、出来ない。・・・平成8年以降の部分で、PDFが青色に表示されて説明書きがある部分です。

(注意点)・・・当然ながら、上記保険料は、労使双方の合計数字を示していますから、計算する時には、2分の1倍する必要があります。また、ねんきん定期便では、育児休業時は、保険料免除になった場合、0円の表示になっていて、標準報酬月額のみが表示されている。

また、先に断わっておきますが、
ねんきん定期便と標準報酬月額、標準賞与額(私の作成記事)
でも書いてますが、給料の内容、たとえば、歩合制だという場合、売上が上がる月もあれば、ほとんど無い月もある=変動する給料=標準報酬月額の算定の基礎とはならない、ということです。

・・・もっといえば、できるなら、会社の賃金規定、賃金形態や会社の就業規則、業種や雇用形態、賃金計算の締め日などを十分チェックしておくことが、その標準報酬月額の数字の理由をつかみ、理解する大きな要素になります。
さらに、会社側が、賃金計算を間違っている、そしてその間違った数字をもとに保険料徴収というのなら、会社と交渉して、会社に賃金計算が間違ってましたと認めさせる必要があります。その場合、会社が間違いを訂正し申告するので、社会保険庁に苦情を言うのは、理屈からいえば、筋違いです。

⇒こういうこと(上記の内容)を、ちゃんと理解して、苦情言ってもらわないと・・・原因究明する私のほうも困っちゃいます(^^;。

・・・ちょっと、そういう事例で話されたのが・・・標準報酬月額の最低額の数字が2年程度続いていたという女性の話。
その会社に、いやいやながら、就職口も他に見つからず入ったという女性。営業職で、当初は固定給部分があったのだが、入社後、半年ほどして、社長が固定給が多くてサボる奴もいる(社員などのやる気を見てて)と判断し、いきなり完全歩合制(・・・オイオイ、固定給なしで完全歩合って、労基法違反かよ(^^;)に賃金体系を移行したという。←はっきりいって、かなり無茶をしている会社。この女性も、当時から、かなり給料計算が怪しい会社だと思っていた。
先日、大阪の第三者委員会から、その大阪にあった(現在、廃業の)「***△△販売」という会社にいた同僚だったという人が最低額の標準報酬月額に対して申し立てをして、そのことに対して当時の同僚に事情を聞いていると電話があったという。
そこで非常に気になった女性は、社会保険事務所の窓口を訪ねてきたという。・・・やっぱり、その女性の思った通り、2年間程度、昭和60年~平成元年までにかけての記録でしたが、「68千円」という当時の最低の等級になっていました。
・・・こういう場合、やはり「給与体系が、そういう風になってしまっていたのなら、仕方ない・・・」という判断がされる可能性が濃厚でしょう。

国民年金の保険料の変遷(・・・特例納付の額や、5年年金、再開5年年金の保険料額も載っていて、お役立ちな情報だろうと思われる)

年金個人情報提供サービス(ユーザID・パスワード)
年金受給者(ただし新法で受給の人=年金コード「1150」の人)も利用できるようになっている。
(参考)年金個人情報サービスの画面(厚年、国年)
ただし、これを利用する場合でも、ねんきん定期便の場合のように、社会保険庁が把握している住所と現在の住所が一致していないと、他人が勝手にユーザID、パスワードを請求していると判断されて、「利用できません」と通知される。

ここ最近では・・・会社退職後に住所変更し、国民年金加入をせずに「不在者」と処理されているとか、会社で転勤が多い人で、会社の人事部などが、ちゃんとその人の住所変更届を出していない、また夫には通知が届いたが、妻のほうの住所が以前のまま、被扶養者異動届が出ていない(健康保険組合なら、3号被保険者住所異動届のみを社会保険庁に出さず)、とかいうパターンも多く、それに加えて、また、その住所の申告自体が番地などの記入間違いで、ねんきん特別便も届いていないという事例も見受けられます。

よくあるパターンは、健康保険組合加入の人の被扶養者の記録。健康保険では扶養家族になっていて、3号被保険者にはなっていないというパターン・・・これは、健康保険組合が3号被保険者の届をついでに出してくれるところもありますが、健康保険組合は、そういう好意的なことをするところが多数ある(法律的には、3号被保険者の届を、事業主の代理で、事業主設立の健康保険組合が出すことができる、とあるだけなので)というわけでもありませんから、注意が必要です。だから、こういうことは、会社の総務部や人事部がちゃんと制度内容を理解した上で、手続きしないと、あとあと被扶養配偶者の面倒な手続き(3号特例の届)をしないといけなくなったりします。

また、そういう郵送物が全く不達の人に対しては、現在、社会保険庁が、住民基本台帳ネットワークを利用して、現在の住所を調査をして、手紙を郵送しているという場合もあります。

・・・最近も、あったといえばあった事例ですが・・・会社自体が、住所の記入を間違えて、「306」と番地を書くべきなのに、「360」と書いていたため、ねんきん特別便も、ねんきん定期便も届かないという事例がありました(会社の事務処理ミス)。
そういう人には、すぐに「ねんきん定期便情報照会回答票(こんな感じです)」(共通、097-1の画面)の記録を出して、渡します。
これは、ねんきん定期便の送付内容が、そのまま出ている内容のものです。

また、国民年金の記録では、「特殊記録」(=国民年金の原簿でよく読み取りができなかった記録、数字や文字がかすんでしまっている記録)があると、その年度、たとえば、昭和46年が「11」(納付月数)と表示されるだけで、いつ「納付済」か「未納」かが表示されず、「***」の表示になりますので、そういう風な表示が出ていても、驚かないように注意してください。

(海外在住者のねんきん定期便)
あと、海外に移住したとか、海外居住者という人・・・この人は、国民年金に任意加入している人は、その親族など、年金保険料を代理に収める手続きをしている人の所に、送付されます。

また、3号被保険者の場合は、国内協力者の登録をしている場合、その協力者の住所に送付されます。
そういう協力者がいなく、海外の住所を登録している場合は、社会保険事務所から海外の住所に郵送するということです。

海外に住む2号被保険者(厚生年金被保険者)は、会社を経由して、通知することになるでしょう。また、海外の住所の届け出があるなら、海外の住所に郵送される場合もある・・・このあたり、まだ社会保険庁は検討中(平成21年4月時点)という回答です。だから、適当なことしか言えません(^^;。

もちろん、過去に国民年金に入っていて、現在、国民年金の資格喪失している海外在住者は・・・お知らせするにも、住所が分らないといえば、分らないから・・・手の打ちようがないでしょう。

国内にいる人間で、年金未加入状態の人で、住民基本台帳ネットワークを使っても、なかなか手紙が届かなかったりするのだから・・・海外なら、なおさらでしょう、と思われる。

では、また時間があれば記事を書こうと思います。

2009年4月21日 (火)

無年金問題・・・普通に考えたら、「こんなことがあるのか・・・」と想像もつかない特殊事例 part2

前回に続き、今回も、「こんな事例があるのか・・・」というものを紹介してみようと思う。

無年金問題:「受給資格あり」51万件 宙に浮いた年金、総務省が推計
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20090409ddm041010040000c.html
(記事から)
 同日の衆院厚生労働委員会で長妻昭議員(民主)に関有一・同省行政評価局長が答えた。同省年金記録問題検証委員会が07年に実施した5095万件のサンプル調査では、加入期間25年以上の記録が1%、10年以上の記録10%で、51万件は1%を当てはめた数字。

(記事から)
それでも、社保庁が国内で118万人と推計する無年金者のうち、実際には受給資格のある人が相当数にのぼるおそれがある。

・・・はいはい、所詮、国会という単なる言葉のやりとりしてるところで空中戦やっている方々には、「まさか・・・」と思ってしまう事例もあったりして・・・。
でも、そういう記録が出てきたら出てきたで、(いろんな人が)「困っちゃうな~」という場合もあるという話をしてみたいと思う。

長妻さん、いっぺん、社保庁で、年金相談の研修うけて、WMの前に立って、年金コンサルティングしてみなさいって(笑)。
数字の表現や言葉のやりとりだけでは想像できない、いろんなものを知ることができますから。
ただし、「よく長妻議員に似てるって言われるんですよ」って、できれば言い訳しながらやってほしい。
たとえば、時代劇の遠山の金さんの「遊び人の金さん」みたいに・・・まずありえないけど(笑)。さらには、1国民から「おまえらのせいで年金受給が遅れてるんだ」などの苦情も一身に受けてほしい。←所詮、無責任な野党だから、それは無理か。
・・・しょうもない冗談は、これくらいにして、本題に入る。

病院の職員という方が、代理人になって、患者の代わりに年金請求をしにきたという事例。

ある日の夕方、ねんきん特別便の窓口対応をしていた時のこと。
「ねんきん特別便でお待ちの***さん」と呼んで、ブースに入ってもらう。
まずは障害年金の受給者で、長期入院している人で、すでに昭和40年代、会社勤務の頃から障害状態になり旧法で障害厚生年金を受給している。
この人の場合、生年月日が1日程度間違っている。1つ1つ記録を見せていく。
いくつかの手帳番号の中に、あるものには、2つの会社の記録が入っている。1つの会社Aには、行ったことがあるが、もう1つの会社Bというところには行ったことがない・・・こういうパターンが一番困る。
どこに原因があるのか・・・記録を登録している業務センターや社会保険事務所が間違って会社名を表示しているのか?それとも本人の記憶違い?・・・さらには、もともとの記録の根拠になった原簿(マイクロフィルム)を見てみる。
やっぱり、そのマイクロフィルムには、名前と検索情報に出ている手帳番号が出てきている。「こうやって名前が出ているでしょう?」と代理人に見せる。
でも本人は代理人の携帯電話の電話口で「そんなところに行った記憶がない」という。

・・・こんな場合は、すんなりと、単純に記録を加えることができない。

ただし、事務所のほうで、本人のその申し出をもとに、記録をA社のものとB社のものと手帳番号を分離して請求することは可能。

さらには、記録が加えられたとしても・・・障害年金(旧法)で、情報を詳しく見てみると・・・85か月程度の年金記録(在職中に初診日がある)、ということは短期要件で支給されている=240か月に月数がみなし計算されている。
そこで、やっぱりこう説明することに。
年金額=平均標準報酬月額×240月(みなしの月数)×給付乗率

85か月→240か月にみなして計算する。このため、記録が今回、1年程度見つかって、100か月になっても、月数はみなしの月数240か月のまま。
しかし、平均標準報酬月額は・・・若い頃の給料が低い頃の記録が加わって平均される=平均額がダウンする=年金額がダウンする、と説明。
・・・こういう場合は、記録が見つかること自体が、逆に、非常に迷惑だったりする。

(・・・ここから本題の無年金者の問題。こんな事例もある)
まあ、こういう障害者の事例は、ありそうだな、と思ってしまうのだが・・・次の場合が、そこそこ凄ましい。

昭和10年代前半の生年月日の人で、まったく年金請求していなかったという人。そして、大阪のほうに住んでいたが、そこで60歳の頃より生活保護を申請する。

・・・もちろん、本人自体が、25年もある厚生年金の記録に、どういう理由なのかは分らないが、まったく請求せずにいて、その結果、今の今まで年金を請求せずにきている。そして、今回、大阪市のある社会保険事務所から、300月以上の記録(昭和32年~57年)があるとの厚生年金の記録照会回答票の手紙が病院に送付されてくる。

病院の代理人の人とのやりとりで見えてくるのだが・・・この記録があると指摘してきたのが、大阪市の更生相談所。更生相談所とは、知的障害、身体障害などの障害を持つ人の援助を行い生活を支援したり、そういう人の家族に対して相談に乗ったり、というような業務を行う公的機関。
市町村によっては、社会福祉事務所が、そういう役割をしているところもある。
・・・よく「ケースワーカー」(障害を持つ人は、その名を出して話を聞いてきたと大体は言う)という、社会保険制度や労災保険制度について、そんな詳しくなくって、その人(国家資格者の社会福祉士の人もいるらしい?)の(適当な・・・制度自体をそんなに十分知っていない?)説明を受けたと言って、障害者がやってきて、「よくも、まあそんな適当なことを教えたな」と年金相談や傷病手当金の説明をした時に、いろいろ考えさせられるものです。・・・などと嫌味を言っていいものかどうか・・・は知らないが。窓口に来る人は、障害ある人自身だから、聞いたことを都合いいように話していることも思えなくもない。
しかし、ああいう人たちと根気よく応対してることに関しては、敬服するところではある。

さて、話を戻して・・・どうして、こういうことになったのか、というと、この人自体が精神的な障害があって、さらに平成16年以降は、もう意識がない状態・・・例えるなら、ボケ老人となってしまっていて、「この記録は、あなたのものですか?」と問い合わせることさえもできないという人になっていて、ずっと入院しているとのこと。
さらには、病院に入院していて、大阪市の住所に長期間不在状態のため、市が職権で住民票消除したというのだから・・・これで、年金請求の添付書類の住民票が付けられない。
必要な添付書類で「住民票」と説明したときに、そう言われて、「そんな人もいるんだな」と思ってしまった・・・。

さらに、更生相談所に、「300月以上の厚生年金の記録があるので、加給年金が支給される可能性がある。家族構成を聞きたい」と話したが・・・そんな状態の人なので、息子さえも、そんな親とかかわりたくないと拒否をしていると話していたという・・・こんな状況の人では、確かに、そんな長期間の厚生年金の記録があったとしても、請求することが難しいといえば、確かに難しい。

年金請求時の鉄則ですが・・・「共通、090」(氏名検索)や「共通、090-1」(漢字氏名検索)をやって、名前と生年月日が一致する他の記録がないかをチェックしたときなのだが・・・代理人の発言で、「この人は何を言っているんだろうか?」と思ったし、さらに驚くようなことを言ってきた。

私:「もう6月程度、この方だと思われる年金記録があるようですが・・・」
病院職員(患者の代理人):(それを言った後、即座に)「他の記録は加えないでください」

(さらに、付け加えて・・・)
私:「300月以上の記録がありますので、家族構成によっては、配偶者加給年金というものも付きますが・・・」
病院職員(患者の代理人):「そういうものも付かないように、お願いします」

・・・確かに、年金は請求主義なので、代理人に「付けるな」と言われたら、付けませんけど。

(この無年金者の背景)
この無年金者の代理人は、生活保護の決定通知書を持ってきていた。60歳未満で、そういう決定があったなら、国民年金の法定免除も加算して計算される。
しかし、それだけを意味しているわけでもない。
だんだん、上記のような発言の意図が見えてきた。

生活保護で年金の遡及分の返還について
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa3558308.html

生活保護費の返還
http://blog.livedoor.jp/fukushi_ashi/archives/65188403.html

・・・つまりは、リンク先のようなことが確実に起こることを、病院側は察知しているということなのだ。

300月もある厚生年金の年金記録=年金額を試算すると、150万円程度出てくる=生活保護、医療扶助の廃止、さらには、余計に受けた生活保護費や医療扶助費の返還もしないといけない・・・という、めんどくさいこと、さらには、もしかすると、高額な費用の返還が病院に請求されてしまうことを予測しているから、そういうことを言っているんだな、と分ってくる。
時効特例法の適用対象となれば・・・どんだけ返還請求されるんだろうか。まあ返還の時効は5年だろうけど。

・・・なるほど、発言の意図が納得できる。課長に、いろいろ持ってきていた添付書類を見せたら、「これは、生活保護廃止とか、生活保護費の返還請求される可能性があるな・・・」と話していた。

(この事例での教訓)
記録が見つかることで、逆に、損したり、不利益を被る人たちがいるという現実。

ではまた、参考になりそうな事例を掲載していきたいと思っております。

無年金問題・・・普通に考えたら、「こんなことがあるのか・・・」と想像もつかない特殊事例が多数ある模様。

無年金問題:「受給資格あり」51万件 宙に浮いた年金、総務省が推計
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20090409ddm041010040000c.html
(記事から)
5095万件の宙に浮いた年金記録を巡り総務省は8日、加入期間25年以上の記録が51万件と推計されることを明らかにした。社会保険庁は5095万件の加入期間別の内訳を明らかにしておらず、政府がこうした推計を示すのは初めて。現行の公的年金制度下で受給資格がありながら基礎年金番号がなく無年金状態となっている人が大量に存在する可能性が強まった。

・・・こういう人、本当にいます。現実として、私はいくつかの例を窓口で見たりしています。

(特殊事例、その1)・・・脱退手当金の記録が復活する事例←誰もが復活なのではなく、条件があります。
私の場合、この件に関して、事情が具体的に呑み込めず、窓口で怒鳴り散らされた・・・そして給付課長などが出てくる騒動になった例を体験しました(^^;。

事の始まり・・・3月くらいに60歳くらいの男性が、年金加入記録照会回答票を持って来られたことから始まります。
明治38年生まれの父親の記録が見つかったという社会保険事務局からの手紙と、照会回答票が、その母親(やはり無年金者)のところに届く。
その時、対応したのが、先輩の社会保険労務士(その息子が言うに・・・わざわざ窓口で社会保険労務士です、と名乗っていたようです)の△△△先生。
まあ、こうやって、ねんきん特別便の窓口で、「社労士の△△△です」と名乗ることで、私は社会保険事務所の者とは異なりますよ(=社会保険事務所のひどい事務処理に関与してない)、とアピール、言い訳を先にしているのとの同じことをしています。
・・・逆にいえば、「お前、記録のミスに関して、何の責任もないくせに。課長(←他の客を相手していることも多いのに・・・)と代われ!」とか言われる・・・私の場合、見た目から、そのまんま、そんな責任もない奴と完全にナメられているので、簡単に最初から不当な言われ方をされることは多数あります。
だから、私の場合、そういうことは全く名乗らずに、窓口で粛々と事務処理をしていくだけです。・・・だから、よく怒鳴られる(^^;。

さて、話をもどして・・・詳しく調べた後に、その後、2週間ほどして連絡すると話して帰ってもらう。
このときの説明に2時間程度かかった模様。
簡単に状況を説明すると、
昭和30年から32年、昭和43年から昭和49年の父親の厚生年金の記録(脱退手当金支給)があった。
さらに、今回、昭和17年~22年までの6年程度の記録が出てくる。

(・・・この問題が起こった背景、関連制度の解説)
その当時(昭和61年以前)、通算老齢年金という制度がありました。
大正15年生まれ以前の人たちは、旧厚生年金保険法という法律・・・昭和61年以前の改正前の条件で支給されています。
つまり、厚生年金も入る、国民年金も入る、共済年金も入るが、それぞれ5年程度しかなく・・・当時の法律(旧法)なら、厚生年金を20年以上加入していないといけませんでした(中高齢の特例なら15年)。でないと、年金支給されませんでした。

しかし、昭和61年の法改正によって・・・国民年金が基礎年金という位置づけになり、上乗せ部分が厚生年金という考え方になったので・・・国民年金法成立、施行から見て、大正生まれの人たちは、どんなに頑張っても、国民年金(昭和36年に制度が作られる←同時に通算老齢年金制度が開始)には、10~15年程度しか加入できないという不具合が発生してしまいました。
こういう人たち、また他制度にも加入していて、1つの制度の記録のみでは年金受給できない人を救済するためにできたのが旧法の通算老齢年金制度です。・・・国民年金の任意加入の時代のころの「カラ期間」という概念も使われて、実際、国民年金の加入期間が1年以上、2年程度という記録のみの場合でも支給されている人はいます。

(条件)・・・旧法(国年、厚年、共済)の受給権者、また恩給法の恩給受給者など一定の条件がある者で記録が出てきても、登録のみとなる人がいます。それは、加入期間が1年以上ないと通算されないからです。
つまり、旧法で年金受給している人は、違う制度での加入記録で1年以上の記録がないと年金再計算には意味がないことになります。・・・これも、年金額が加算されると思ってやってきたのに、そこそこガッカリされてしまう原因の1つだったりします。
だから、どういう制度で、どういう年金を受給しているのか、このあたりは事前に情報を集めておく(年金証書などで)べきでしょう。

(・・・通老とは、旧制度の年金受給の救済システム)
通称は、年金実務の場面では、「通老(ツウロウ)」と呼ばれます。
(年金証書の見方)
年金証書あたりをみると、基礎年金番号と年金コードから、
「4201-111222-0120」
(基礎年金番号+年金コード)・・・で表示されています。
コードの前2ケタ(年金種別コード)
01・・・老齢年金、旧国民年金法の老齢年金
・・・という具合に、コードの前2ケタで、どういう種類の年金(旧法、新法、老齢、障害、遺族など)を支給されているかを見ます。
コード後半2ケタ(年金制度コード)
20・・・国民年金(旧法)
前の「2」で何の年金制度からの支給かを見ます。
後ろの「0」は・・・たとえば、遺族年金ならば、18歳高校卒業前の子がいるなら、その子にも受給権がありますので、子の年金番号は、「1」、複数いるなら「2」「3」と一連番号の数字になります。

(例)4201-123456-1450
4201=課所符号・・・課所符号の説明は、こちら。「4201」=兵庫県の社会保険事務所の払出しと分かる。「払出し」とは、被保険者になって、番号をつけられて厚生年金被保険者証などを発行したことを意味する。
123456=個人識別番号。事業所内の厚生年金の台帳に順番で載せられた時にふられた番号。国民年金の場合も原簿に載せられた時にふられた番号。

・・・手帳番号から、どの事務所が払い出したのかも、社会保険事務所に、分厚い書物で置いてある。これを、事業所名が課所符号で「0000-0000-0000」となっている古すぎる記録もあるから、各県の事務局にある事務センターなどに電話して事業所の名称確認をしてます。

1450=新法、遺族厚生、遺族基礎年金。

通老ならば、年金コードが、0230(通老、厚生年金)、0520(通老、国民年金)というように、数字が出てきます。

(参考)年金コード一覧・・・年金種別コード(前半2ケタ)と年金制度コード(後半2ケタ)

・・・という基礎知識を説明したところで、先の話に戻ります。

この60歳くらいの息子さんなのですが、「社労士が窓口で、こう説明した」と1枚のメモを取り出します。

今回見つかった記録(60か月程度)の処理の選択で、
1、60か月程度の分の脱退手当金を支給してもらう。
・・・この場合、15,000円程度が支給されるとの説明があった。

2、今回見つかった記録と、以前に脱退手当金を支給してもらった記録(昭和43年~49年)の分、5万円程度の額を返還して、記録を復活し、それを加えて、無年金の母親に通算老齢年金(通老)の遺族年金を支給してもらう。

・・・この方は、そこで「2、の方法をとりたい」と話します。
このとき、私は「そういえば、前に話をしていた事例だな・・・」とは頭の中をよぎります。そこで、すぐに課長に説明します。
それでも、誰がどういう風に事情を聴いて、業務センターからの回答をうけて、その後、その人に説明するかなどは、まったく情報が入っていなかったようで・・・。
とりあえず、ずーと課長へ事情を説明し、その後、まず事実関係を確認するための証明を受けて持ってくるように私が話をうけて・・・「まずは、結婚していたという事実を確認するのに戸籍謄本(コンピュータ化される前の戸籍謄本、とか)。さらに住民票と所得証明。」
と説明した後に・・・「説明は分ったが・・・」といった後に、激怒。

△△△先生が対応した時には、その脱退手当金の記録が復活したら・・・ということで、どれだけ年金支給になるかという見込み額まで出して見せていたことを説明し・・・つまり、その息子にしてみたら、もうもらえるものと思っていた・・・それでもって、1か月程度、回答が全然なく、私が対応して、「戸籍謄本・・・」という具合に説明があって、、、結局、何にも進んでなかったのか、まだスタートラインなのか、ということにかなり激怒する。
・・・「おまえらは、(大正初期生まれの90歳以上の)母親に早く死ねと言っているのか?」「記録が漏れていて、死後16年もたってから知らせてきているのは、おまえらの責任だろう?」「このことを説明した社労士(△△△先生)を出せ!」と詰問されまくる。←これを見て、すぐに年金相談室室長や給付課長がやってくる。

(・・・どうして脱退手当金の記録が復活するのだろうか?)
社労士試験を受けている紙の上での戦い、知識だけしか知らない人には、こんな対面による複雑な特殊事例の話を体験する場面なんて、毛頭、想像もつかないだろう。

時系列で説明すると、
明治38年生まれ。
昭和32年~34年 会社勤務 厚生年金記録が2年程度
昭和43年~49年 会社勤務 厚生年金記録が6年程度←しかし、これだけの記録では年金受給にならないので、脱退手当金支給を選ぶ。

平成5年頃、無年金のまま、本人死亡。
平成21年 この方の年金記録(昭和17年~22年、6年程度の厚生年金の記録)が見つかる。

・・・という具合だ。

通算老齢年金では、明治38年生まれの人では、短縮特例があって、通算して10年以上になれば支給される。

大正5年4月1日以前生まれの場合、昭和36年4月1日(国民年金制度開始)以後、年金記録が通算10年で支給される。さらに明治44年4月1日以前の人は、昭和36年4月1日以前の記録も通算して、10年あれば通老で支給される。

では、なぜ、記録復活となるのか?
この記事を読んでいる人は、「錯誤無効」という民法の用語を知っているだろうか。
つまり、脱退手当金支給を請求したのは、記録が8年程度で、年金受給できないと勘違いしたためであり、年金記録がほかに見つかったので請求できると分かった今、その錯誤による手続きは無効になるでしょ?←勘違いによる無効な手続きは、記録復活になる、ということです。
・・・分るだろうか?多分、分んないだろうな・・・。特定社会保険労務士試験なんかでも、退職や解雇の意思表示(心裡留保や錯誤)とかいうところで、こんな話が出てきますけどね。

しかし、記録が他になく、脱退手当金をもらった人が、ほかの記録が見つかり、記録復活、さらに、年金受給、という人が出てくるんだろうか。・・・また、そんな人に窓口で会ったら、ひどく言われるだろうことは、簡単に想像できる。

さらに、パート2へ続く。

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