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2008年5月 7日 (水)

「ねんきん特別便」の見方

社会保険事務所に行政協力ということで、いろいろと、ねんきん特別便のことや、その他年金相談を受けて、非常に勉強になったんですが、そこで、こういう時には、こうなっているから、こうしようという、特別便の手紙を受け取った時の、対応を書いてみようと思います。

というのも、来る人は、老人が多数で、年金の制度の歴史をよく分からない、また、若い人でも、年金特別便をうけとる人がいて、そういう人は、郵送物が1度に発送されますから、その郵送物が届いた2~3日後には、2時間~3時間程度の長蛇の行列が出来ます。

・・・だから、届いたからといって、すぐ社会保険事務所に殺到するんじゃなくて、こういう知識を持っている人に、いろいろ聞くのが、2時間~3時間(で済めばいいけど・・・中には5~6時間の行列になることがある)長時間の行列を避ける方法の1つだと考えてください。
 行列を避けるには・・・社会保険事務所に行った時、長蛇の行列であったら、もう1週間~10日ほど後に、行きなおす。
また、大雨が降っている日や、朝早くに並んでおく(朝8:20分頃に開所するので、その10分程度前くらいに行っておく)のがよい。
あと、偶数月の15日前後は、年金の支払いがあるかどうかの問い合わせが殺到しますから、この時期も避ける。

また、こういうときに手紙の中にある番号に電話しても、全くつながらないだろうし、当然、社会保険事務所の電話番号にもつながらないことになる。
郵便物は、貴方だけに届いたわけじゃない、貴方以外にも何万人と手紙を受け取っているのですから、郵便物が届いたからといって、すぐ行動に出ることは・・・あまり賢明でないです。

だから、こういうときに、各県の社会保険労務士会には、社会保険事務局から端末を貸与されているので、そこへ行けば、行列を避けられることもできます。年金記録確認の1つの裏技。
貴方の年金記録の情報が、間違っているとか漏れているとかいうのが、そこでも調べられるというわけです。もちろん無料。
ただ、電話をかけて調べてもらっているのと同じく、そこで間違っていると分かるだけで、その後、社会保険事務所のほうに、提出書類などを書いてもらうのに、何冊かある年金手帳や厚生年金被保険者証、年金証書などを持って、行列に並ぶ必要があります。

さて、話は変わって、
もうすでに、多くの方に、青色の封筒で届いた方や緑色の封筒で届いた方がいるとは思うのですが、
「全ての年金受給者・現役加入者の皆さまへ年金加入記録をお送りしています」
に、あるとおり、
青のタイプを受け取った・・・漏れや間違いが多いことが可能性として高い人に送っている。

緑のタイプを受け取った・・・漏れや間違いがほぼないものだが、記録が合っているかどうかを本人に確認してもらいたい。

というものである。
だから、青のタイプのものは、出来る限り、社会保険事務所のほうに行くのがいいです。
緑のタイプは、間違いがないなら、「間違いや漏れがない」という記入欄に「○」を入れて、それを郵送するだけでOK。

一番困るのが、「何十年も前の働いていた時のことなんて分からない」と言われると、どうにも対応しようがないです。そういう人は、「間違いがない」として処理されることになってしまいます(主に緑のタイプの場合)。

青のタイプの場合、
年金記録問題への対応策の進捗状況」に、詳しく書かれていますが、
例えば、
昔勤めていた会社が、書類を提出する時に、
誕生日の日付を間違えた。
フリガナを間違えた・・・例:「幸子」をサチコ、ユキコと読めるから
性別を間違えた・・・「正美」←男女ともに、こういう名前の人がいる。

という場合、間違ったままの記録になって、もう一人の人間の記録ができてしまうことになります。
こういうものは、どこでどう記録がもう1つ出来てしまったのか、原因がわからないものが多いし、社会保険庁側で間違えたのかもしれないということもありうるので、なんとも言えないものがある。

あと、こんな場合も、よく青のタイプの特別便が届くパターンです。
結婚して名字が変わっているが、旧姓の時の記録が存在する。

平成9年1月以前に年金制度に加入していて、基礎年金番号を職場の年金番号で受けたが、平成9年以前に学生の時など国民年金に加入していて、保険料を払っていたが、その年金番号とは違っているため、同じ名前と生年月日で記録が出てきている。

・・・これなんか、平成9年の基礎年金番号の制度導入時に発生して、その後ちゃんと年金記録に関する何らかの対策をしなかった結果、こういうことが起こっている。制度や法律の不備といえば、不備。
こういう人たちは、年金請求する時になって、こうなっていると分かって、年金記録を調べてもらっていた。
・・・しかし、現に、現在のような消えた年金記録の問題にまで発展しているのも事実。何十年か後に年金請求するときになって、「記録がありません」と言われて終わっていた人も多かった可能性はある。実際、現在、すでに亡くなられたという場合、遺族年金の記録の修正がされたりしてて、「夫と結婚する前の若い頃の勤務先なんて分かりません」と言われる現実もよくある。
あと、本人が痴呆症という場合・・・これも、どうすることもできません。

だいたいのことは、社会保険庁のHPを検索して調べれば、分かってくるものなので、言うのもなんなんですが・・・だいたいの人がよく聞く質問は、ねんきん特別便の記録の書き方が分からない、というものが多いです。

年金記録の見本が中に入っていて、その例を見てみても、分かりにくいといえば分かりにくいし、
また、自分が働いたという記憶、制度が存在し、また加入していたかどうかというのも、一致しない場合があり、混乱が生じていることが多いです。

(質問の例)
会社名が入っている期間のものと、「厚生年金保険」「船員保険」と保険名で書かれてきている期間がある。
・・・「厚生年金保険」などは、会社自身が倒産でなくなったとか、合併して名前が変わったとかいう原因で、そういう表示がされているので、「厚生年金保険」と書かれている期間、勤務していたかどうかを確認してもらいたい。
会社名がないからと言って、間違っているわけではない。

「任意加入していなかった期間」という言葉が出てきている。
・・・昭和61年4月以前から、サラリーマンをやっていた人の妻に、こういう記録の表示が多い。
これも、年金受給する時に、ちゃんと説明していれば誤解がなかったことなんだろうけど、国民年金の年金受給をするのには、300月以上が必要である。
サラリーマンの妻でも、自ら働いていて、厚生年金を年金受給する人で、15年の厚生年金の期間のみで受給している人もいる。こういう風に、人それぞれの年金の記録なので、「あの人は、こうだったのに」という風な言い方をしてくる人も多いが、そういうことだ。

話を戻して、「任意加入していなかった期間」=「カラ期間」。
つまり、昭和36年4月に保険料徴収を始めた時代、国民年金加入は「任意加入」で加入しないことも自由でした。
このため、昭和61年に国民年金は強制加入、保険料を支払った期間25年で老齢の年金受給権ができると法改正した時に、国民年金に今まで加入していなかったサラリーマンの妻は、年金受給できないことになるのに、どうして強制的に年金加入しないといけないんですか?という疑問を持つことになる。
この時に、救済する方法として出来たのが「カラ期間」。昭和36年4月以降、サラリーマンの夫と婚姻して任意加入しなかった期間を「任意加入しなかった期間」として、保険料は払っていない=保険給付は0円だが、国民年金に加入していた期間として期間計算しましょうという法律的救済をしたわけである。
・・・その期間の表示が「任意加入しなかった期間」。

あと、質問が多いものに、国民年金手帳で黄土色の手帳の人に国民年金の加入が「昭和35年10月」とかいう記入されている人もいる。
保険料徴収しはじめるようになる(昭和36年4月)前の国民年金制度が始まる6月前くらいに加入した人に、こういう手帳が渡されている場合が多い。でもって、それを見た人が、ねんきん特別便をもって「昭和36年4月になっている」と言ってやってくる。
簡単なことなんだが、その6月間は保険料をとっていないので、年金の記録の期間としてカウントされない=保険給付に関わりがない。
つまり保険料を徴収し始めたのが昭和36年4月なので、記録上ではそういう風に書かれている。これも、制度の歴史についてちゃんと説明がされていない結果、長蛇の行列が出来てしまう原因の1つ。・・・「記録の見方」というもの、1枚だけあって、それだけでは、多分、説明できないものが、こんな風にたくさんある。

だいたい、手帳に書かれた記録欄が正しいのか?というと、記録されていないものもあるだろうし・・・正しいものもあれば、違うものもあると言わざるをえない。実際、手帳を3冊ほど持っていたりしたら、そういう記録欄に何も書かれていないことは多い。最近でも、会社が預かっていて、やめるときに返すというパターンが多いから。

あと、共済では・・・
JR共済などの三公社といわれた企業の場合、だいたいは統合されていて、ちゃんと情報がねんきん特別便にも出てきている。
ただ、よく文句や指摘がある内容では、JR共済の昭和31年7月以前の情報が、社旗保険庁の記録で出てきてないけど、何故?という質問(・・・これも、社会保険庁のミスだろう?という怒った感じで質問してくる)があるのだが、これは、31年7月以前の記録はJR共済が持っているので、社会保険庁のデータには出てこない。このあたり、慌てずに対応が必要。

しかし、農林漁業団体職員共済組合の年金記録は・・・まだ年金記録を統合する途中なので、すでに年金受給している人には、その情報が入っていない状態で郵送される場合が多い。
だから、「抜けている」・・・確かに、記録に間違いや漏れがあるのだが、だからといって、年金給付の計算に問題がある、というわけではない。
・・・まあ、普通、そういうことを知らない昭和一桁代とか大正時代の老人は、怒ってくる。

あと、公務員や私学学校共済組合の場合は・・・やっぱり年金情報の統合が遅れているため、2次大戦の途中から戦後の頃の情報は入っていなかったり、公務員を何度か変わって転職している人は、やはり、一番最初の頃の公務員の記録が入っていなかったりして、怒ってくることは多い。

・・・これらの情報は、今、統合している最中なので、そういう間違いや漏れはあったりする・・・って、ねんきん特別便は穴だらけであることを自ら公表しているような・・・というと失礼だが、そういう情報統合の最中であるということを知っていれば、また年金額から考えてみれば、冷静に判断できるとは思うのですが・・・。
ご老人で、ネット検索する人が、そんなに多いとは思わないですから、最新情報が載っているそれぞれの共済のHPや社会保険庁のHPを見るわけではないでしょう。

それから、昭和一桁の人なんかで多い質問は、68歳くらいまで働いていたのに、年金の記録を見たら・・・例えば、昭和5年(1930年)の生まれの人で、平成7年(1995年)に厚生年金の記録がが終わっているのは何故?という質問も多い。
平成14年4月1日前に65歳になった人は、厚生年金の被保険者でなくなるという当時の法律がありました(法改正で、平成14年以降は70歳まで厚生年金の加入ができる)。このため、68歳まで勤務していたといっても、65歳までしか、加入できませんでした。

あと、厚生年金保険の加入月数と加入期間が数字が違う人がいて、これは何故?と聞く人も、やはり多くいるので。
年金受給している人で60歳から64歳までの人で、まだ会社勤めをしている人は、加入期間と年金計算のもとになっている加入月数は異なります。だから、60歳時点での年金月数が「年金月数」に載っている。そして、現在も会社に勤務中だったら、会社に勤務していて、ねんきん特別便の作成日にも勤務していたなら、その時点での厚生年金の「加入期間」を載せています。
だから、加入期間と加入月数が異なることになります。

こういう下のような説明文が入っている。多くの人は、こういう説明文を読まないで、「自分の記録が間違っているんだ」と思って、すぐに社会保険庁のほうへ向かって、長蛇の行列が出来る。そして、「社会保険庁は、何たる酷いところ」という恨み辛みの感情しか持ちません。
ましてや、離島からやってきて、1時間くらい帰るのにかかるという人は、気の毒としかいいようがないです。
そんな、精神的に全然よくないストレスを溜め込むようなことにならないように・・・まずは、上記のような年金制度の歴史や、社会保険庁側の記録の統合状況などを理解して、落ち着いて行動してください。でないと、感情的になるだけで、何の解決にも至りません。


・・・実際に、ねんきん特別便で記録を修正した後に、数週間後に亡くなって、遺族が未支給年金という形で受け取ることにならざるをえない現実もある。実際に、そういう場面を見ましたし・・・。

めちゃめちゃ長文になってしまった。

«久々に、更新しておきます。